インプルの井上です。本日はロジカルシンキングについて解説いたします。
ロジカルシンキングはITエンジニアに限らず全ビジネスマンにとって重要な思考法となります。
私自身、実務を通してまだまだ実践できていないなと感じる毎日です。
自戒と振り返りの意味も含めて本記事を執筆いたしますのでロジカルシンキングってなに?
重要なのはわかったけど自分の仕事にどう取り入れていけばいいの?と思っている方々は是非
ご参考ください。
参考サイト:https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0031-logicalthinking.html
ロジカルシンキングとは?
論理的思考法のこと
ロジカル(Logical)とは、「論理的な」と翻訳される言葉です。ある事象について矛盾がないように順序立てて考えることや、体系的に整理して考えることなどを指します。一方、シンキング(Thinking)には、「思考」や「考える」などの意味があり、意見や判断といった意味も含まれています。つまりロジカルシンキングとは、「論理的思考」や「論理的な考え方」などを意味します。直感や感覚的に物事を捉えるのではなく、筋道を立てて矛盾・破綻がないように論理的に考え、結論を出す思考法です。
ロジカルシンキングを構成する要素
以下で、ロジカルシンキングを構成する6つの要素を解説します。
物事に筋道が通っている
意見や主張に筋道が通っていることはコミュニケーションや意思決定の場において重要な意味をもつ要素です。
バイアスにとらわれず白紙の状態で物事を捉える
バイアスとは偏りと訳されるもので、思考の歪みを表します。たとえば、ほかの印象に影響されるハロー効果や、最後のイメージに影響される終末効果などが挙げられます。これらのバイアスを避け、全体をバランスよく捉えることが重要です。
合理的思考をもつ
合理的思考とは、「何が重要で何が重要ではないのか」を見分けるために必要な能力です。合理的思考は、費用対効果の高さとも結びつく要素でもあります。問題解決策を立案した際、誰がどのように対応すれば効率的かを考えることが重要です。
物事を適切に分解できる
問題解決において非常に重要な要素です。分解することで、問題点や、問題が起きた原因、適切な解決策などを把握しやすくなります。
因果関係を正しく把握できる
分解と同様に、問題解決において重要な意味をもつ要素です。因果関係とは、原因と結果を結びつけるもので、問題の本質の把握に役立ちます。問題の本質的原因でない場所にこだわっても効果はないため、本当の原因を把握することが重要です。
言葉や数字を適切に扱える
ロジカルシンキングに限りませんが、言葉の定義や数字の意味を知って定量的に思考することが重要です。
ロジカルシンキングのメリット
- 論理的に考える癖がつくことで客観的に物事をみられるようになり、分析力が向上する
- 分析力が向上することにより、問題の原因解明や解決までの筋道を立てやすくなる
- 問題解決能力がアップし、分かりやすく意見を述べられるようになるため提案力が高まる
上記メリットに加えコミュニケーション能力の向上が期待できることもメリットといえるでしょう。
エンジニアにロジカルシンキングが必要な2つの理由
上記ではロジカルシンキングが問題解決やコミュニケーションなどの場面で役に立つことをお伝えしました。ここでは、ITエンジニアに限定してロジカルシンキングが必要な理由について解説します。
仕様や設計を決めるため
ITエンジニアと言えばプログラミングというイメージを持つ方は多いでしょう。しかし、プログラミングの他にシステムを構築する際にはどんなプログラムを作るのかを定める「仕様書」や、プログラムの実現方法を具体化する「設計書」が必要です。特に仕様書は、クライアントの要望を最適な形で反映することが求められます。
矛盾だらけの仕様や設計ではまともなプログラムは作れません。ロジカルシンキングは、こうしたドキュメントを正しく作成するために重要となります。論理を組み立て、筋の通った仕様や設計を作成することでプログラムの品質も高まります。
クライアントに説得力を持って説明するため
プログラムの仕様は、ITエンジニアの一存だけで決められません。クライアントの要望を仕様書に落とし込んだうえで、合意を得る必要があります。その過程でクライアントとの打ち合わせは欠かせず、仕様書の内容を説明したり、より良いアイデアを提案したりすることが求められます。
しかし、論理性に欠ける説明では説得力が低く、クライアントからの理解を得ることは難しいでしょう。クライアントへの説明にも、ロジカルシンキングが欠かせません。筋の通った説明により説得力が増すだけでなく、物事を整理しながらスムーズに説明でき、クライアントに理解されやすくなります。
ロジカルシンキングの2つの手法
ロジカルシンキングには、主に2つの手法があります。
それぞれの手法について、詳しく解説します。
演繹法
演繹法(えんえきほう)とは、あらかじめ決められている前提や一般論に対して、目の前の事実・事象を当てはめて結論を出す方法です。
ビジネスの例を挙げると、次のような考え方が演繹法に当てはまります。
- 一般論:ライバルが同じような商品を開発すると、売上が落ちる
- 事象:自社のライバルA社が類似サービスを開発した
- 結論:自社サービスの売上が落ちるかもしれない
前提となる一般論が間違っていなければ、事象を関連付けて出した結論は誰でも納得のいくものです。また、前提も事象も基本的に一つなので、スピーディーに結論が出せます。
帰納法
帰納法(きのうほう)とは、複数の事実や実例から共通点を導き出す方法です。
例えば、日本やアメリカ・ヨーロッパ諸国など、各国の経済状況を調べて軒並み「景気が悪い」という事実が分かれば、世界的に不景気だと分かるでしょう。 一つ一つの事実を調べた上で結論を出す必要があるので、時間や手間はかかる思考法です。
しかし、演繹法と違って、これまで発見されていなかった法則や傾向が判明する可能性もあります。 ビジネスで有効な施策を打ち出す際にも、個別の事実を調べて共通点を見出すアプローチができるでしょう。
ただし、参考にする事実やデータに偏りがある場合、実態とは異なる結論を出してしまうリスクがあります。できるだけ多くの事例を調べて、論理の偏りや飛躍が起こらないように配慮することが大事です。
ロジカルシンキングの実践方法
分かりやすく話すようにする
普段の生活で他人に話す際、主張と根拠、根拠同士を紐付けて論理をしっかり組み立てて話すことで相手に正しく伝えることができます。また、結論から順を追って話すことも大切です。
ただし、自分は分かりやすく話せたと思っていても、相手に正しく伝わっていないこともあります。そのため相手の反応もチェックして、うまく伝わらなかった部分について反省しましょう。特に、相手に聞き返される部分があった場合、あいまいな表現になっていたり、言葉に矛盾があったりしがちです。
ロジックをシンプルにする
論理が正しくても、複雑すぎると相手に伝わりにくくなります。また、論理的に考える際に途中で間違えるリスクも高まるため、因果関係や演繹法(三段論法)などを参考に、ロジックをシンプルに構成することを意識しましょう。
相手目線で考える
ロジカルシンキングでは、相手目線で考えることも重要です。ロジカルシンキングを用いて相手に意見を伝える場合には、相手が納得できるがどうかが大切です。そのため、相手の立場や目線で考える癖をつけましょう。
フェルミ推定の問題を解いてみる
フェルミ推定の問題にチャレンジすると、論理的に考えるトレーニングになります。フェルミ推定とは、すぐに数えることが難しい膨大な数量を、手がかりをもとに短時間で推測する問題です。たとえば「地球上にアリは何匹いるか?」のように、イメージできない数量を概算します。
当然ながら、アリを1匹ずつ数えていては一生かかっても答えは出ないでしょう。しかし、1平方メートルあたりのアリの数を仮定して、地球の陸地面積とかけ合わせれば大体の総数が推測できます。このように、論理的に考えなければ解けないフェルミ推定の問題はWeb上に数多く出回っています。ぜひチャレンジしてみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか?ロジカルシンキングは、物事を体系的に筋道立てて考える思考法です。この思考法が実践できればITエンジニアだけではなく、様々なビジネスシーンで活躍できる非常に汎用性が高い人材になることができるでしょう。 紹介した演繹法と帰納法を用いて日々の課題を適切に分解する練習をしてみてください。
上記で紹介したフェルミ推定の他に実践的な問題を設定し解決するケーススタディやグループワークもおすすめです。状況に応じて外部の研修も活用しながら、ロジカルに考えられるエンジニアを目指しましょう!