はじめに
株式会社インプルの奈良です。
エンジニアとして、日々の業務で触れる用語や技術はたくさんあります。
しかし、その中には「知っているようで、実は深く理解していない」というテーマもあるのではないでしょうか。
今回は、知ってそうで知らない知識として【IP(インターネットプロトコル)】と【IPv4・IPv6の違い】について解説します。
IP(インターネットプロトコル)について
「現在はIPv4接続だと上手く接続できないので、IPv6接続を試しておいてください。」
Webサービス・Webアプリなどに接続をする際に上記のようなことを言われて、なにそれ?ってなった人もいるかもしれません。
前提知識として、IP(インターネットプロトコル)を解説したのちに、IPv4とIPv6の違いについて解説していきます。
IP(インターネットプロトコル)とは
IP(インターネットプロトコル)とは、インターネットにおけるデータ伝送を制御するためのプロトコルの一つです。
IPは、TCP/IPプロトコルスタックの中心的な役割を果たし、ネットワーク上の様々なデバイス間でデータをやり取りする際の基本的なルールや手順を定めています。
IPの主な特徴
- アドレス指定:各デバイスはIPアドレスという一意の番号を持ち識別される。これにより、データは正確な宛先へと送り届けられます。
- データの断片化と再構築:データは小さなパケットに分割されて送信され、宛先で再び組み立てられる。この仕組みにより、大きなデータでも効率的に通信することができます。
- 無接続型プロトコル:IPは、データの送受信の前に事前の接続確立が不要です。各パケットは独立してネットワークを通過し、最終的な宛先で受信されます。
- ベストエフォート型:IPはベストエフォートでデータの伝送を試みます。これは、データが正確に届くことを保証しないということです。データの信頼性や順序などの保証は、上位のプロトコル(例えばTCP)が担当します。
IPの役割
- アドレッシング:ネットワーク上の各デバイスを一意に識別するためのIPアドレスの割り当てと管理。
- ルーティング:データパケットが出発点から目的地までの最適な経路を選択し、通過するためのルールと手順を定める。
- フラグメントと再構築:データパケットが大きすぎる場合に小さなパケットに分割し、宛先で再組み立てる。
- エラー検出と報告:通信中のエラーを検出し、必要に応じて通知する。
簡単に言えば、IPはインターネットの基盤となる通信ルールを定めており、これによって異なるデバイスやネットワーク間でデータのやり取りがスムーズに行われます。
IPv4・IPv6の違いについて
IPv4の特徴
- アドレスの長さ:IPv4のアドレスは32ビットで、ドット(.)区切りの10進数で表現されます。例:
192.168.0.1
- アドレス空間:約43億の一意のアドレスを持つことができます。しかし、インターネットの普及に伴い、使用可能なIPv4アドレスが枯渇してきました。(1990年代後半から現在まで使われている。)
- NAT(Network Address Translation):IPv4アドレスの枯渇を緩和するための技術。プライベートネットワークとインターネットとの間で、アドレスを変換する役割を持ちます。
IPv6の特徴
- アドレスの長さ:IPv6のアドレスは128ビットで、コロン(:)区切りの16進数で表現されます。例:
2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
- アドレス空間:膨大な数のアドレスを持つことができ、IPアドレスの枯渇問題を根本的に解決します。
- セキュリティ:IPv6は、設計段階からセキュリティを考慮しており、IPsecというセキュリティプロトコルがデフォルトでサポートされています。
- エンドツーエンド通信:NATを使用することなく、デバイス間で直接通信が可能になります。
IPv4・IPv6の主な違いのまとめ
- アドレスの長さと表現方法:IPv4は32ビットの10進数、IPv6は128ビットの16進数
- 利用可能なアドレス数:IPv6がIPv4に比べて圧倒的に多い
- セキュリティ機能:IPv6はセキュリティが強化されています。
- 通信方式:IPv6はエンドツーエンド通信が容易になりました。
- 対応デバイス:新しいデバイスやシステムは、IPv6をサポートするものが増えています。
IPv4からIPv6への移行は、アドレスの枯渇問題やセキュリティの向上、エンドツーエンド通信の実現など、多くの理由により進められています。しかし、現状では両方が共存しており、段階的に移行が進んでいる状況のようです。
奈良
GoogleのYouTubeやGmail、FacebookのサイトはすでにIPv6対応が進んでいるようなので、これからはIPv6が主流になるという点を抑えておきましょう!
参考サイト
Just a moment...
IPv6・IPv4とは? IPoE・PPPoEとは? その違いを解説
次世代インターネット接続方式の概要を理解するには、IPv4とIPv6の違い、さらにはPPPoEとIPoEの違いを理解しておく必要があります。また、「IPv4 over IPv6」という技術についても知っておいてください。
もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説! | 地域度密着の情報マガジン トコマガ!
地域度密着の情報マガジン「トコマガ」から「もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説!」についての記事をご紹介いたします。