その他

【IP】エンジニアが知ってそうで知らない知識を改めて調べてみた②【IPv4・IPv6】

その他
この記事は約4分で読めます。

はじめに

株式会社インプルの奈良です。

エンジニアとして、日々の業務で触れる用語や技術はたくさんあります。

しかし、その中には「知っているようで、実は深く理解していない」というテーマもあるのではないでしょうか。

今回は、知ってそうで知らない知識として【IP(インターネットプロトコル)】【IPv4・IPv6の違い】について解説します。

IP(インターネットプロトコル)について

「現在はIPv4接続だと上手く接続できないので、IPv6接続を試しておいてください。」

Webサービス・Webアプリなどに接続をする際に上記のようなことを言われて、なにそれ?ってなった人もいるかもしれません。

前提知識として、IP(インターネットプロトコル)を解説したのちに、IPv4とIPv6の違いについて解説していきます。

IP(インターネットプロトコル)とは

IP(インターネットプロトコル)とは、インターネットにおけるデータ伝送を制御するためのプロトコルの一つです。

IPは、TCP/IPプロトコルスタックの中心的な役割を果たし、ネットワーク上の様々なデバイス間でデータをやり取りする際の基本的なルールや手順を定めています。

IPの主な特徴

  1. アドレス指定各デバイスはIPアドレスという一意の番号を持ち識別される。これにより、データは正確な宛先へと送り届けられます。
  2. データの断片化と再構築:データは小さなパケットに分割されて送信され、宛先で再び組み立てられる。この仕組みにより、大きなデータでも効率的に通信することができます。
  3. 無接続型プロトコル:IPは、データの送受信の前に事前の接続確立が不要です。各パケットは独立してネットワークを通過し、最終的な宛先で受信されます。
  4. ベストエフォート型:IPはベストエフォートでデータの伝送を試みます。これは、データが正確に届くことを保証しないということです。データの信頼性や順序などの保証は、上位のプロトコル(例えばTCP)が担当します。

IPの役割

  1. アドレッシングネットワーク上の各デバイスを一意に識別するためのIPアドレスの割り当てと管理
  2. ルーティング:データパケットが出発点から目的地までの最適な経路を選択し、通過するためのルールと手順を定める。
  3. フラグメントと再構築:データパケットが大きすぎる場合に小さなパケットに分割し、宛先で再組み立てる。
  4. エラー検出と報告:通信中のエラーを検出し、必要に応じて通知する。

簡単に言えば、IPはインターネットの基盤となる通信ルールを定めており、これによって異なるデバイスやネットワーク間でデータのやり取りがスムーズに行われます。

IPv4・IPv6の違いについて

IPv4の特徴

  1. アドレスの長さIPv4のアドレスは32ビットで、ドット(.)区切りの10進数で表現されます。例: 192.168.0.1
  2. アドレス空間:約43億の一意のアドレスを持つことができます。しかし、インターネットの普及に伴い、使用可能なIPv4アドレスが枯渇してきました。(1990年代後半から現在まで使われている。)
  3. NAT(Network Address Translation)IPv4アドレスの枯渇を緩和するための技術。プライベートネットワークとインターネットとの間で、アドレスを変換する役割を持ちます。

IPv6の特徴

  1. アドレスの長さIPv6のアドレスは128ビットで、コロン(:)区切りの16進数で表現されます。例: 2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
  2. アドレス空間膨大な数のアドレスを持つことができ、IPアドレスの枯渇問題を根本的に解決します。
  3. セキュリティIPv6は、設計段階からセキュリティを考慮しており、IPsecというセキュリティプロトコルがデフォルトでサポートされています。
  4. エンドツーエンド通信:NATを使用することなく、デバイス間で直接通信が可能になります。

IPv4・IPv6の主な違いのまとめ

  1. アドレスの長さと表現方法IPv4は32ビットの10進数、IPv6は128ビットの16進数
  2. 利用可能なアドレス数IPv6がIPv4に比べて圧倒的に多い
  3. セキュリティ機能IPv6はセキュリティが強化されています。
  4. 通信方式IPv6はエンドツーエンド通信が容易になりました。
  5. 対応デバイス新しいデバイスやシステムは、IPv6をサポートするものが増えています。

IPv4からIPv6への移行は、アドレスの枯渇問題やセキュリティの向上、エンドツーエンド通信の実現など、多くの理由により進められています。しかし、現状では両方が共存しており、段階的に移行が進んでいる状況のようです。

奈良
奈良

GoogleのYouTubeやGmail、FacebookのサイトはすでにIPv6対応が進んでいるようなので、これからはIPv6が主流になるという点を抑えておきましょう!

参考サイト

Just a moment...
IPv6・IPv4とは? IPoE・PPPoEとは? その違いを解説
次世代インターネット接続方式の概要を理解するには、IPv4とIPv6の違い、さらにはPPPoEとIPoEの違いを理解しておく必要があります。また、「IPv4 over IPv6」という技術についても知っておいてください。
もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説! | 地域度密着の情報マガジン トコマガ!
地域度密着の情報マガジン「トコマガ」から「もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説!」についての記事をご紹介いたします。